トラベラーの皆さん、こんにちは。
最近、日本と台湾を結ぶ路線に新たにいろいろなエアラインが就航して目が離せません。エアアジアXがワイドボディのA330-300型機で関空⇔台北(⇔クアラルンプール)に就航しましたし、新生エアアジア・ジャパンは中部⇔台北に就航しました。さらに、マリンドエアは札幌⇔台北(⇔クアラルンプール)に参入しています。
そんななかでひときわ異彩を放っているのが、スターフライヤーではないでしょうか?スターフライヤーは2018年11月に、中部⇔台北、北九州⇔台北の2路線に就航を果たしました。スターフライヤーは、当ブログでも高く評価しているエアラインだけに、どういったフライト・エクスペリエンスを提供してくれるのか、非常に気になっているところでした。
そこで、公式サイトで台北⇒中部のフライトを通常価格のトータル1万円台半ばで購入し、実際に搭乗してみることにしました。スターフライヤーは中国語では「星悦航空」と表記されます。一体どんな愉「悦」なフライトなのでしょうか?
桃園国際空港1タミを利用
スターフライヤーは、台湾桃園国際空港の第1ターミナルを利用しています。チェックインカウンターオープン直後に行ってみたところ、待つこともなく意外とあっさりチェックインできました。
チェックインが完了し、手渡された搭乗券がこちらです。背景にスターフライヤーのA320の画像をあしらった、オリジナリティに溢れた搭乗券です。通常他社の搭乗券では無地の紙にエアラインのロゴと必要情報が印字されただけの無味乾燥なものが多いのですが、こんなところにもスターフライヤーらしさが現れていて感心しました。
いよいよ搭乗が始まりました。他社エアラインと同様に、スターフライヤーにも優先搭乗があります。
スターフライヤーでは、「スターリンク」という独自のマイレージプログラムを展開しており、その上級会員であるベガ及びアルタイル資格保持者は優先搭乗の恩恵に預かることができます。ただ私が目視した限りでは、本フライトでは優先搭乗をしている上級会員はいないようでした。
ちなみに、スターフライヤーはANAとの資本関係はありますが、上級会員向けのサービスの連携などは行っていないようで、ANAの上級会員に対しての優先搭乗のアナウンスはありませんでした。
機内に入ると、ギャレーにイヤフォンと日本のイミグレーションカードや税関申告書、それにペンも何本か用意されていいました。このように、搭乗時に自分に必要なものをセルフで持っていけるようにしておくのは、CAさんにとっても乗客にとっても手間が省けていいですよね。
漆黒のキャビン
スターフライヤーの漆黒のキャビンです。全席エコノミーで3-3の配列になっています。(機内が白と黒のモノトーンなので、全く写真映えしないのが難点です。)
シートは真っ黒な革張りになっています。エコノミークラスのシートなのに、落ち着いた雰囲気の中に何かギラギラしたものを醸し出す、独特のシートです。
シート背面も真っ黒。A320ではありますが、全席にシートモニターが装備されているのもアドバンテージですね。一世代前のシートモニターから更に進化したようで、コントローラー設備は無く完全タッチパネル操作になっていました。
スターフライヤーは、普通の座席でもANAやJALのエコノミーよりもシートピッチが広めだと言われていますが、今回は非常口座席になったため、足回りの空間が更に広くなっています。これだけ余裕があると、圧迫感がなくて快適です。
シートにはスターフライヤーのこだわりが凝縮
特徴的だったのが、シートポケットです。通常のエアラインのシートポケットは大ポケットが一つのみというのが一般的ですが、スターフライヤーの今回の機材では、大ポケットの手前にもう一つ横向きの少ポケットがあり、そこには安全のしおりが横向きに入れられていました。こういった作りのシートポケットは他エアラインでは見たことがないので、おそらくスターフライヤーの特注だろうと思われます。こだわっていますね。
シートポケットの中身は至ってシンプルで、安全のしおり、エチケット袋、機内誌の3点のみでした。余分なものが一切なくすっきりとしていて、この点は積極的に評価したいと思います。
エチケット袋は、コーポレートカラーの黒で印刷されているのかと思いきや、なんとシルバーで印刷されていました。ポケット自体が真っ黒なので、エチケット袋まで黒にしてしまうととっさの時にすぐに探し出せなくなってしまうという配慮なのでしょうか。シルバーにしたことで、更にスタイリッシュさが増しているのは言うまでもありません。
エコノミークラスなのに各席にフットレストも完備しています。大手エアラインでもエコノミークラスシートにフットレストを付けているところはほとんどないのに、スターフライヤーはよくここまでするなぁと感心します。
エンタメも完備!映画も欲しい
機内安全ビデオの上映が始まりました。ビデオに出てくるこのロボット、「スターフライヤーマン」と言うのだそうです。ネーミングが安直すぎます(笑)。
エンターテイメントのコンテンツはテレビ番組がほとんどで、一見した限りでは映画はなかったようです。台北⇔北九州・名古屋間は少なくとも2時間以上はかかり、映画を見るにはちょうどよいフライト時間です。ぜひともエンタメに映画を加えてほしいところですね。
機内食もあり!
離陸後しばらくすると全員に機内食が配られます。もちろん無料です。日本⇔台湾間の移動にはLCCを使うのが当たり前になり、機内食が出ないのに慣れきってしまった私には、意外な驚きでした。機内食の蓋も真っ黒なのがスターフライヤーらしいですね。
ピンク色の紙が添えられていたのですが、これがなんとお品書きでした。エコノミークラスの機内食にお品書きを添えるエアラインなんて、今まで出くわしたことがありません。機内食自体も、エコノミークラスのものとしてはかなり見栄えがよく、外国人の方にも人気がでるのではないでしょうか。
食後にはコーヒーをいただきました。コーヒーを選ぶと、スターフライヤー特性のチョコレートが付いてきます。機内サービスのコーヒーでごく当たり前のようにチョコレートを付けてくれるエアラインは、スターフライヤーの他にあるのでしょうか?
搭乗率が低いのが残念
ここまでスターフライヤーをべた褒めしてきましたが、一点だけ残念なことがありました。それは搭乗率です。
今回のフライトの搭乗率は5割超えるか超えないかで、空席が目立ちました。他エアラインを凌ぐサービスを揃えながら、搭乗率が半分というのは残念すぎます。台湾人もそれなりに搭乗していたようですが、過半数は日本人だったように思われます。
個人的にはスターフライヤーは大好きなエアラインなのですが、プロモーションが下手な感じが否めません。スターフライヤーのメリットをいろいろな形で発信していけば、日本人にも台湾人にもより認知されるようになると思うのですが。
おわりに
スターフライヤーの台北→名古屋のフライトについて長々と書いてきましたが、総じて快適なフライトであったことはお分かりいただけたと思います。再度、スターフライヤーのフライトの特徴をリストアップしてみますと、
- 搭乗券がオリジナル
- 全席が黒の革張りシートでシートピッチ広め
- 短距離機材ながら全席にシートモニター完備
- 全席にフットレストも完備
- LCCに準じた料金なのに機内食あり
- コーヒーにはチョコレートがついてくる
これだけのブラスアルファがあるならば、スターフライヤーを使わない手はないと思うのですが、皆さんいかがでしょうか?今後スターフライヤーのプロモーションが図られ、日本⇔台湾間のフライトの有力候補として認知されるようになることを期待しています。