巷は新型コロナウイルスの話で持ちきりですね。特に2月20日以降の韓国での急激な感染確認件数の伸びには、隣の国で起こっていることだけに危機的なものを感じざるを得ません。ムン大統領が韓国の状況は「深刻」だと宣言し、アメリカのCDCが韓国の警戒レベルを最高レベルに引き上げ不要不急の韓国旅行の自粛を求めている点も、韓国の新型コロナの深刻さを裏打ちしています。
こんな状況でも韓国旅行をしようとする人が多い
しかし、ここ数日ツイッターを眺めていると、愕然とすることが多々ありました。韓国の状況を知ってか知らずか、あるいは新型コロナを甘く見ているのか、この時期の韓国旅行を宣言するツイートや韓国旅行をキャンセルすべきか尋ねるアンケートが数多く見られたのです。以下はほんの数例です。
驚くのは、アンケートの回答で「行く」が多数を占めている点です。このうち、純粋に「今行ってもいい」と考えている人はどれくらいいるのでしょうか。むしろ悪意から面白半分で「行く」に投票した人も相当数いるのではないかとかと思います。
ツイッターのアンケートは正しい判断を下す材料にはならない
ツイッターというSNSは、あなたとは全く関係のない赤の他人がリプライしたり、投票したりすることのできるメディアです。その人達が、必ずしもあなたのことを第一に考えて回答・投票するわけではありません。また、ツイッターで回答を寄せる人のほとんどは、そのテーマについての熟知しているわけでもありません。
したがって、感染拡大による旅行キャンセルようなクリティカルな問題について、ツイッター上で何らかのヒントを求めても、有用な回答が得られることはまずありません。正しい判断を下すためには、どこの馬の骨ともわからないツイッター上の人たちに尋ねるのではなく、自分から公的なサイト等にアクセスし情報を集め、自ら判断する必要があるのです。
一番怖いのは欠航で帰国できなくなること
さて、仮に今の韓国を旅行するとして、最も危惧されることは何でしょうか。旅慣れた読者の皆さんなら即答されると思いますが、それは「フライトの欠航で帰国できなくなること」です。
アメリカのCDCは、韓国の渡航注意レベルを最高レベルに引き上げました。つまり、アメリカは公式に韓国への旅行を控えよと宣言したことになります。アメリカがこうした措置に踏み切ると影響はかなり大きくなるものと予想され、韓国線のフライトの搭乗率もさがり、フライトのキャンセルが相次ぐようになるのはほぼ間違いないものと思われます。現にエアソウルは運休しています。
そうなると、渡韓したものの、帰りの便が全くなくなってしまい韓国から脱出できないという事態に陥る可能性も十分にあります。予定していたよりも長く韓国に滞在せざるを得ない状況になり、当然その分だけ自身の感染リスクも高まります。
感染判明すると全快するまで数週間は帰国できない
なお、ツイッター上では「韓国のほうが新型コロナの検査が進んでいるから韓国で検査すればいい」といった無責任なツイートも見られました。たしかに韓国のほうが検査体制が充実しているという情報はよく耳にします。
しかし、日本人が韓国で感染判明すれば、全快するまで帰国できない可能性が非常に高いです。馴染みのない土地で、言葉の障壁があるなか、数週間、今まで自分が経験したことのない病気と孤独に闘わなければなりません。これほど心細いことがあるでしょうか。
また、このような長期滞在となると、時間的・金銭的な負担ももちろん大きくなりま。そんな余裕はありますか?こんな事態に陥らないためにも、私は今は韓国に渡航すべきではないと考えます。
諸々の事情が判断を鈍らせる
今回、上に挙げたような呑気なツイートをしている方の傾向としては、K-POPアイドルのファンであったり、韓国コスメのファン、あるいは韓国での整形を予定していた方、卒業旅行で訪韓を予定していた方、旅費支払い済みでキャンセルを渋る方など、一定の傾向がみられました。しかしながら、こういった個々人の諸々の事情が、リスク判断を鈍らせてしまっているように見受けられます。
この時期の韓国旅行の新型コロナにまつわる諸リスクは、そういった事情とはきっぱり切り離して勘案すべきものです。にもかかわらず、キャンセルするとお金が戻ってこないからとか、卒業旅行だからなど、新型コロナとは関係のない事情を持ち出して旅行に行こうとするのは、目が曇ってしまっていると言わざるを得ません。新型コロナの状況とその他の事情を切り分けて、賢明な判断をしてほしいと思います。
海外旅行は自己責任
仕事などでどうしても行かなければならない場合を除き、海外旅行は(というか旅行自体が)基本的には自己責任です。旅先でのトラブルを極力減らすために事前に現地の情報を収集するのは当然のこととして、仮にトラブルに遭ってしまった場合に被害を最小限に抑えられるよう準備をし、オプションを用意しておくのがベターです。もちろんこれには旅行保険の加入も含まれます。
おわりに
今回韓国旅行について取り上げましたが、韓国を取り上げると記事内容を理解せずに「嫌韓だ」と的外れな批判を受けることが予想されます。本ブログ記事はそういった視点ではなく、隣国という位置的関係から旅行者が多い韓国について、その現況と旅行リスクについて述べているに過ぎません。
また、「韓国のほうが検査を多く実施している、それにひきかえ日本は…」という的はずれな批判も予想されます。本ブログ記事は、日本人が海外旅行先として現在の韓国を選ぶことのリスクに焦点を当てています。従いまして、検査数の多少は本筋とはズレます。