地元の人が集うお店は美味しいお店。これは全世界に当てはまる普遍的な真理です。
観光客が世界各国から大勢訪れるイタリアの水の都ヴェネツィアでも、この法則は当てはまります。ヴェネツィアには観光客相手のレストランやトラットリアがひしめいていますが、そういったところはあえて外して、地元の人が集う庶民的なお店に行ってみましょう。
今回ご紹介するトラットリア「アンティコ・カリチェ」も、どちらかと言うと地元の人が集まるお店です。リーズナブルな料金で、最高に美味しい料理を提供してくれる、超おすすめの料理店なのです!
アンティコ・カリチェは、大通りから1本わきに入った路地にあります。人通りも少ないし、本当にこんなところに美味しいお店があるのでしょうか。
あった、あった、やっと見つけました。こちらがトラットリア「アンティコ・カリチェ」です。外観は全く目立たないので、注意して歩かないと通り過ぎてしまいそうですね。勇気を出して入ってみました。
カランコロカラン… ほう、なんとなく温かい雰囲気で、良さそうなお店ではありませんか。
アンティコ・カリチェは12時に開店します。開店直後に訪れたため、まだ空席ばかりだったのですが、すぐに続々とお客さんが入店してきました。
ものの10分でこの状態。ほとんど席が埋まってしまいました。その中でも、ひときわ目立つのが、ボーダーシャツを着た屈強な男性たちです。
そう、彼らはヴェネチアにしかない独特の職業、ゴンドリエーレの人たちです。ゴンドリエーレとは、運河をめぐるゴンドラの漕手のことで、専門学校をへて試験をパスしないとゴンドリエーレにはなれないのだとか。ヴェネツィアの花形の職業なんですね。
一日中ゴンドラを漕ぐのはかなりの重労働。体もゴツくなりますし、お腹もペコペコになります。そんな人たちが集うトラットリアが美味しくないわけがありません。どれを食べても、絶対当たりです!
前菜はカウンター前においてありました。シンプルながら、どれも美味しそう!目移りしてしまいますよね。何から食べればいいのやら。
メインには何をいただきましょうかねぇ。ヴェネツィアに来たのですから、新鮮な魚介料理を頂きたいですよね。アンティコ・カリチェの看板料理はイカスミパスタで、ベネチアに来たら一度は食べておきたい逸品です。しかし、私が訪れた日は、特別メニューとしてイカスミリゾットが提供されていました。ウェイターさんによると、イカスミリゾットはたまにしか出さないということなので、メインには迷わずそれをオーダーしました。
しばらくして提供されたのが、こちらのイカスミリゾット!一口口に含むと、イカスミのまろやかな旨味が口全体に広がりました。私の知っているイカスミとはぜんぜん違う!今まで食べてきたイカスミは、一体何だったのでしょうか!あまりの美味しさに、今までの人生を全否定されたような気がしました。
「人には2種類ある。アンティコ・カリチェのイカスミを食べたことのある人と、食べたことのない人だ。」
by 管理人
ヴェネツィアを訪れた際には、ぜひアンティコ・カリチェの絶品イカスミパスタ(orリゾット)を試してくださいね!