庶民にとっては高嶺の花、ビジネスクラス。特に長距離路線に投入されている機材のビジネスクラスは、シートがフルフラットになったり、サイドテーブルがついていたり、機内食が豪華だったり、さらには機内バーラウンジが使えちゃったりと、エコノミークラスとは雲泥の差のサービスを受けることが出来ます。
とは言うものの、圧倒的に運賃が高いのも事実です。例えばルフトハンザの東京⇔フランクフルト往復の運賃は約50万円!ビジネスクラスを体験するという目的のためだけに、すぐにポイっと出せる金額ではありませんよね。
しかし、ちょっと探してみれば、長距離用機材のビジネスクラスに圧倒的低価格で乗れてしまう路線も実はあるんです。それが以遠権路線。以遠権とは何かといいますと、Wikipediaによれば
以遠権(いえんけん)は、国際航空運輸において、自国から相手国を経由して、相手国からさらに先にある別の国への区間についても営業運航を行なう権利である。
つまりざっくり言うと、A国とB国を結ぶ路線に、そのどちらでもないC国の航空会社が便を飛ばしている路線のことを言います。この以遠権路線は、諸々の理由により、運賃が圧倒的に安くなる傾向があるんですね。そして、この以遠権路線のビジネスクラスこそが狙い目で、驚くような低価格で豪華なフライトを体験できてしまうんですよ!いくつかご紹介してみますね。
ルフトハンザは、クアラルンプール⇔ジャカルタ間に自社便を飛ばしています。それも最新のシートにアップデートされたA340-300で飛んでいるんです!このフライトのビジネスクラスの片道のお値段を調べてみると……
769リンギット、なんと約25,000円になりました!安い!約2時間のフライトではありますが、定評あるルフトハンザのビジネスクラス、それも最新式のシートを2万5千円で体験できてしまうのは、非常にお得だと思います。
KLMオランダ航空も、ルフトハンザと同じくクアラルンプール⇔ジャカルタ間を自社便で飛んでいます。機材はB777-300。ビジネスクラスのシートが一世代前のリクライニングシートなのが残念ですが、質の高いビジネスクラスサービスを手軽に体験するには申し分ありません。片道のお値段を調べてみると…
約2時間のフライトで、276USD、約32,500円でした。 ルフトハンザのビジネスクラスに比べると意外と高いですね。ルフトハンザとKLMを往復で使い分けて乗り比べをするのも楽しいかもしれません。
さて、中東の5つ星エアライン、カタール航空も以遠権路線を運航しています。それも、バンコク⇔ハノイという、非常に地味な路線です。機材はB777-300ERで、シートは旧バージョンのフルフラットシートになります。お値段は……
片道約2時間のフライトで225USD、約26,400円。5つ星エアラインの世界最高レベルのサービスを体験できてこのお値段。お手頃すぎます!
日本発着便でお勧めできるのが、エティハド航空の名古屋⇔北京の便です。機材はA330-200で、ビジネスクラスはフルフラットのスタッガードシートになっています。片道のお値段は…
66,870円と出てきました。約3時間のフライトではありますが、フルフラットシートでゆっくり寛げることを考慮すると、なかなかリーズナブルではないでしょうか。
最後に、最もコストパフォーマンスがいいビジネスクラス路線をお教えしちゃいます。エミレーツ航空の香港⇔バンコク便です。この路線には、エミレーツ航空の代名詞とも言えるA380が投入されており、世界最高水準のラグジュアリーフライトを楽しむことができます。
A380のビジネスクラスにはバーカウンターもあり、CAさんがカクテルを作ってくれて至れり尽くせりです。まさに、「社交の場」という雰囲気ですね。この路線のビジネスクラスは、片道よりも往復のほうが安くなるという謎料金なので、往復の料金を調べてみますと……
4557HKD、約69,100円となりました。往復で約6時間のフライトですので、1時間あたりのコストが1万円強。安い!こんなに安くエミレーツのビジネスクラスに乗れてしまっていいのでしょうか!