シンガポール・チャンギ国際空港では、乗り継ぎ時間が5時間以上ある利用客を対象とした無料の市内観光ツアーを提供しています。
こちらがツアーの参加申し込みブース。第2ターミナル搭乗エリア内のインフォメーションデスクのすぐそばにあります。ここの他にも、第3ターミナルに1箇所申し込みブースが設置されています。
申し込む際には、パスポートと搭乗する便のボーディングパスの提示が求められます。そこでツアーに参加する十分な乗り継ぎ時間があるかチェックされます。申し込みが終わると集合時間が告げられますので、しばらくターミナル内で時間を潰してから、再度ブース前に集まりましょう。
集合時刻にブース前に行くと、他のツアー参加者も十数名ほど集まっていました。参加者には上のようなステッカーが配られるので、胸などの目立つ場所にステッカーを貼り付けましょう。
ツアーでは、一度シンガポール国内に入国することになります。ですので入国審査を受けなければなりません。シンガポール入国の際には入国カードの記入が必要ですので、予めツアーに参加するつもりであれば機内でCAさんから入国カードをもらい記入を済ませておくとよいでしょう。もちろん入国審査場にも入国カードがありますので、忘れた方はそちらで記入しましょう。
また、ツアーに際しては大きな荷物の携行は禁止、酒や煙草などのシンガポール国内への持ち込みも禁止となっています。キャリーケースなどがある場合には、搭乗エリア内の荷物預かりにあずけておくことをおすすめします。
シンガポールの入国審査は至ってスムーズです。ツアーのステッカーを胸に貼っておけば、ろくに質問などされずパスポートにハンコがペタペタ押されるだけです。
第3ターミナルで集合した人は、ガイドの案内でスカイトレインに乗り第2ターミナルに移動し、第2ターミナルの参加者と合流した後、第2ターミナルで入国審査をします。アジア系からヨーロッパ系、アフリカ系の人など、参加者は多種多様であるため、ガイドは英語で行われます。ただ、ガイドの話す英語はシンガポール独特のシングリッシュなので、私には非常に聞き取りにくく、言っていることの半分も理解できませんでした。
ツアーバスに乗り込み、シンガポールの中心部を目指します。常夏ですので、半袖で行くのがお薦めです。短時間のツアーといえどもシンガポールの暑さを甘く見ると必ず後悔します。
空港を出て高速道路を走ること30分ほど。マリーナ・ベイが見えてきました。大観覧車のシンガポールフライヤーや、その奥にはマリーナ・ベイ・サンズ、左側にはガーデンズ・バイ・ザ・ベイと、シンガポールの見所がぎゅっと凝縮されたエリアです。
バスは、マーライオンからほど近いところに駐められ、15分の自由時間となります。ツアー参加者は皆マーライオンとマリーナ・ベイ・サンズをバックに写真を撮りまくっていました。
その反対側には、通称「ドリアンビル」と呼ばれるエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイを見ることも出来ます。シンガポールの建築って、どれもが個性的ですよね。まるで建築の実験場であるかのように、奇抜な建物が林立しています。この摩天楼も一見の価値アリですね。
15分の自由時間を終えバスに戻ると、そのまま空港に直帰します。途中、チャイナタウンもしくはリトルインディア(ツアーによって異なる)を車内から見学できますが、メインストリートをバスで通り過ぎるだけで街を楽しむ余裕はありません。
公式サイトはシンガポールフライヤーやガーデンズ・バイ・ザ・ベイにも訪れるような印象を与えますが、これらは車窓から遠くに眺めるだけ。実際に訪れるのはマーライオン公園のみで、そこからマリーナ・ベイ・サンズを眺めるというのが実情です。
2008年に同じフリーツアーに参加した際には、マーライオン公園からボートに乗り、シンガポール川を数キロクルーズした後、ラッフルズで自由行動と、かなり充実した内容でした。それに比べると、今回のフリーツアーはずいぶん簡素化されてしまった印象です。
とは言ってもやはり、乗り継ぎ時間内でシンガポールの名所をサクッと観光できてしまうこのツアーは、とても魅力的ですよね。しかも無料。タダで観光案内してしまうチャンギ空港とシンガポール航空の太っ腹ぶりには脱帽です。世界のハブ空港であり続けるためには、こういった投資が重要であることを実感します。日本の空港も見習ってほしいものです。
海中道路などを通って空港に戻り、第2ターミナルで降ろされます。出国審査を受け、次の便の時間までターミナル内でぶらぶらしましょう。