(2015年3月1日からの支払金額ベースでの獲得マイル数算出方法への変更についはこちら »)
巷では、ここ数週間、ユナイテッド航空(UA)のマイレージプラス(MP)での特典航空券必要マイル数の改定が大きな話題になっていますよね。新ルールは2014年2月1日以降の発券分から適用され、大半の路線が大幅な改悪になるので、今後もMPを貯めるべきか、それとも別のフリークエントフライヤープログラム(FFP)に乗り換えるか迷っている方もいらっしゃると思います。私もMPがメインのマイラーですので、2月以降どうしようか真剣に悩んでおります。
そこで今回、特典航空券必要マイル数の新旧チャートを徹底的に比較分析し、どの路線が大幅な改悪になるのか、小幅な改悪にとどまったのはどの路線か、逆に改善された路線はないのかなどなど、独自に調査いたしました。その結果、ある程度の指針が見えてきましたので、ここでご報告したいと思います。判断材料としてお使いいただければ幸いです。
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それでは、具体的に必要マイル数の増減を見て行きましょう。なお、MPの特典航空券は片道からの発券が可能で、行きはエコノミー、帰りはビジネスといったアレンジが容易にできます。それに従い必要マイル数も片道分の表示が基本となっていますので、同一クラスでの往復の必要マイル数は、表記のマイル数を倍にしたものだとお考えください。
また、このページでは日本在住の方最も関心が高いだろうと思われる日本発着路線をメインに取り上げています。アメリカ域内、ヨーロッパ域内、アフリカ路線、南米路線等は割愛させていただきますので、ご了承ください。
短中距離路線
日本国内と日本からの短中距離路線の必要マイル数です。北アジアは中国、韓国、モンゴル、台湾を、南アジアは東南アジア諸国及びバングラデシュを、オセアニアはオーストラリア・ニュージランドを除く南太平洋諸国及びグアムやサイパンなどを意味します。
路線
|
現行
|
新
|
増減率
|
||
日本国内 | Y |
6,000
|
→ |
10,000
|
66.7% up
|
(スタアラ特典) | C |
15,000
|
→ |
20,000
|
33.3% up
|
日本~北アジア | Y |
10,000
|
→ |
15,000
|
50.0% up
|
(スタアラ特典) | C |
20,000
|
→ |
30,000
|
50.0% up
|
F |
27,500
|
→ |
40,000
|
45.5% up
|
|
日本~南アジア | Y |
15,000
|
→ |
22,500
|
50.0% up
|
(スタアラ特典) | C |
30,000
|
→ |
40,000
|
50.0% up
|
F |
40,000
|
→ |
60,000
|
50.0% up
|
|
日本~オセアニア | Y |
12,500
|
→ |
12,500
|
増減なし
|
(スタアラ特典) | C |
20,000
|
→ |
30,000
|
50.0% up
|
F |
35,000
|
→ |
40,000
|
14.3% up
|
ご覧のとおり、日本国内及びアジア路線は、必要マイル数がおしなべて1.5倍程度になるという大幅な改悪です。オセアニア路線のエコノミーがかろうじて難を逃れていますが、それ以外は大改悪です。これらの路線でのマイル利用をお考えの方は、必ず1月31日までに発券してしまいましょう。改悪後はグアムやサイパン路線だけがお得で、それ以外の路線でマイルを使ってしまうのは大損というかなりお寒い状況です。
長距離路線
続いて、日本からの長距離路線の必要マイル数です。
日本~北アメリカ | Y |
32,500
|
→ |
35,000
|
7.7% up
|
(セーバー特典) | C |
60,000
|
→ |
65,000
|
8.3% up
|
F |
67,500
|
→ |
80,000
|
18.5% up
|
|
日本~ハワイ | Y |
22,500
|
→ |
25,000
|
11.1% up
|
(セーバー特典) | C |
32,500
|
→ |
40,000
|
23.0% up
|
F |
47,500
|
→ |
62,500
|
31.6% up
|
|
日本~ヨーロッパ | Y |
45,000
|
→ |
45,000
|
増減なし
|
(スタアラ特典) | C |
60,000
|
→ |
75,000
|
25.0% up
|
F |
80,000
|
→ |
115,000
|
43.6% up
|
北アメリカやハワイは1~3割程度のアップに留めてあります。アジア路線の暴挙に比べれば、こちらはまだまだ良心的に見えますね。ヨーロッパ路線は、エコノミーは据え置きですが、ビジネスやファーストの値上げが結構きつめです。
ここから見えるUAの意図は、アジア路線でスタアラ便を利用されるよりも、自社便が飛んでいるアメリカ路線やハワイ路線でマイルを使ってもらったほうがまだマシだということでしょう。
このように、アジア路線での特典航空券利用を考えていた方にとってはかなり厳しい内容になっています。今後もアジアを中心に飛びたいとお考えの方は、別のFFPに乗り換えたほうが賢明かもしれません。
実はお得な路線もあり
大幅な値上げばかりか目につきますが、その一方で、必要マイル数が下げられる路線も僅かながら存在します。例えば日本~中東路線がその一つ。
日本~中東 | Y |
45,000
|
→ |
35,000
|
22.2% down
|
(スタアラ特典) | C |
67,500
|
→ |
65,000
|
3.8% down
|
F |
87,500
|
→ |
110,000
|
25.7% up
|
エコノミークラスでは20%を超える値下がりですし、ビジネスクラスでも4%弱値下がりします。スターアライアンスを乗り継げば、エジプトやドバイへの旅行がお手頃になります。
また、日本~オーストラリア/ニュージーランド路線も必要マイル数が値下げされます。
日本~AUS/N.Z. | Y |
25,000
|
→ |
22,500
|
10.0% down
|
(スタアラ特典) | C |
40,000
|
→ |
40,000
|
増減なし
|
F |
55,000
|
→ |
60,000
|
9.1% up
|
エコノミークラスは現行の必要マイルより1割減となり22,500マイルです。同程度の飛行時間であるアメリカ線が35,000マイル、ヨーロッパ線が45,000マイルになることを考えると、オーストラリア/ニュージーランド線はかなり魅力的です。
さらに、日本発着路線以外で抑えておきたいのが、北アジア~オーストラリア/ニュージーランド路線です。
北アジア~AUS/N.Z. | Y |
35,000
|
→ |
20,000
|
42.9% down
|
(スタアラ特典) | C |
50,000
|
→ |
40,000
|
20.0% down
|
F |
65,000
|
→ |
50,000
|
23.1% down
|
エコノミークラスはなんと43%ものダウンの20,000マイル。これは先ほど確認した日本~AUS/N.Z.の22,500マイルよりも低い設定です。また、ビジネスやファーストも2割ほど値下がりしますが、特にファーストは50,000マイルとなり、日本~AUS/N.Z.の60,000マイルよりも1万マイルもお得に設定されます。台北やインチョンなどに格安チケットで飛び、そこからはマイル利用でタイ国際航空のファーストクラスで優雅にオーストラリアやニュージーランドへ赴くなどということも可能になります。
MPに残るか、他に乗り換えるか
これはなかなか厄介な問題です。MPの魅力は「貯めやすくて使いやすい(それも低い必要マイル数で)」という点にありました。現行ルールは2011年6月15日から適用されましたが、それ以前は日本~南アジアのファーストクラスがなんと片道20,000マイルという破格の安さだったのです。それが現行ルールの適用で40,000マイルに値上がりし、来年2月からはさらに60,000マイルに上がります。とてつもない改悪ぶりに、ぐうの音も出ません。MPの「使いやすい」というメリットは急速に失われつつあります。
ただ、それでもなお、MPにうまみが残っていることも事実。まず、特典航空券には燃油サーチャージが請求されません。長距離路線だと往復で5万円程度かかる燃油サーチャージが、MPの特典航空券だと無料になるのは非常にありがたいです。
また、18ヶ月以内にマイルの変動があれば、マイルの失効が先延ばしされるというシステムも魅力的です。これを利用すれば、一度ためたマイルは半永久的に使用可能になります。コツコツためていく陸マイラーにとっては、これも見逃すことの出来ないメリットですよね。
結局のところ、自分にとってのMPのメリット・デメリットを考慮し、今後の行動を決める必要があるという、ありきたりの結論になってしまいます。ただ、以前ならばANAやJALと比較してお得感があったのですが、それが今回の改悪で一気に吹っ飛んでしまった感じではあります。私としては、まだ全面的にMPから撤退するつもりはありませんが、いつでも抜け出せるように他社FFPについてリサーチしつつ、戦略を練っていくつもりです。
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