経営破綻したアリタリア航空に乗ってみた!AZ785便エコノミークラス成田→ローマ搭乗記

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今月2日、衝撃的な報道がありました。なんと、あのアリタリア航空がまたしても破綻したというニュースでした。

「アリタリア航空、事実上の経営破綻 運航は継続」 (Aviation Wire)
アリタリア-イタリア航空(AZA/AZ)は現地時間5月2日、イタリア政府に「特別管理(extraordinary administration)」を申請すると発表した。自主再建を断念し、事実上経営破綻した。運航は継続するとしている。

アリタリア航空はここ何年か経営危機を繰り返していましたので、この一報を知った時、「またかよ」いう呆れしか感じられませんでした。しかしその直後、「やべーじゃん」という極度の動揺に襲われました。というのも、ゴールデンウィーク中にアリタリア航空でイタリア旅行することになっていたからです。今回は、破綻直後のフライトの様子をレポートします。

◆搭乗便: アリタリア航空AZ785便
◆使用機材: B777-200
◆スケジュール: 成田13:15発→ローマ・フェウミチーノ19:00着(飛行時間12時間45分)

▲ゴールデンウィーク中ということもあって、エコノミークラスは超混雑していました。空席は殆どなかったのではないでしょうか。内訳は、イタリア人と日本人が4:6。日本人は、添乗員付きツアーに参加している方が多いようでした。皆、アリタリア航空の経営破綻などどこ吹く風の様子で、ハラハラ・ドキドキしていた自分が馬鹿らしくなりました。

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設備が古い!シート下のボックスが邪魔すぎ!

▲では早速ハード面の設備をチェックしてみましょう。アリタリア航空B777-200のエコノミークラスのシート配列は3-4-3と横に10席を詰め込んだスタイルです。同型機で横9席というエアライン(例えばデルタ)もあるなか、横10席だとかなり窮屈に感じられます。

ただイタリアらしく、シートのデザインは大変オシャレですね。真っ赤なヘッドレストの真中にアリタリア航空のロゴがあしらわれていて、いいアクセントになっています。

▲アメニティグッズとしては、ピロー、ブランケット、ヘッドフォンの3点が一つの袋にまとめられて入っており、この袋が搭乗時に各席にセットされていました。これはかなり合理的なやり方ですね。一つ一つ配るエアラインもありますが、アリタリア航空のやり方のほうが搭乗客やCAの両方にとって手間が軽減されると思います。

▲さて、座ってみて気になったのが、この分厚いヘッドレストの使い心地の悪さです。ヘッドレストがかなり分厚く作られていて、背もたれとの間に5cmくらいの段差ができてしまっています。まるで自分に合わない枕を強制されているような、大変座り心地の悪いものでした。気になって眠れない人もいたのではないでしょうか。

▲足回れのスペースは狭めです。最近利用したデルタシンガポールのエコノミークラスと比較しても、その差は明らかでした。これで12時間以上過ごすのはキツイかもしれませんね。

エンターテイメントシステムは1世代程度前のもので、シートモニターも小さめです。以前は主流だったこのタイプのコントローラーも、見かける機会が少なくなってきましたね。コンテンツは、日本語に対応したものはごく僅かでした。ただ、『ラ・ラ・ランド』が日本語で見られたので大目に見ましょう。

▲それに追い打ちをかけたのが、このシート下のボックスです。なんですか、私の足を邪魔するこの巨大な物体は!!!これじゃ、全然足を伸ばすことができないじゃないですか!シートの列によって、ボックスがある席とない席があるので、ハズレにあたってしまうと最悪なフライトになってしまいますね。不公平だなぁ。

機内食はまずまず?

さて、機内食はどうでしょうね。レビューサイトでは「不味い」というコメントが多かったのですが……

▲1回目の機内食はディナー扱いです。イタリアンと和食が用意されていたらしいのですが、イタリアンが売り切れてしまったため、和食しか残っていませんでした。ただ、お味は「不味い」というほどのものでもなく、ごく普通。身構えていたのですが、ちょっと拍子抜けでした。

▲フライトの中頃にライトミールが配られます。チーズとハムを挟んだパンでした。これもさほど不味くはありません。

▲2回目の機内食は、ローマ到着の1時間半ほど前に提供されました。1回目のものに比べればだいぶ軽めで、典型的なコンチネンタルブレックファストですね。こちらも味自体は不味くはないのですが、豪華な機内食を予想していた方にとっては期待はずれなわけで、これが「不味い」という不評をかう要因かもしれませんね。

▲予定よりも30分遅れてフェウミチーノ国際空港に到着しました。沖止めでバスでの移動になったのですが、長時間のフライトの後のバス移動は結構きついです……

破綻直後ではありましたが、アリタリア航空のフライトに特に変わったところは見られませんでした。会社としては今後も通常通りの運航をするとアナウンスしているので、フライト自体は変化はないのかもしれません。

ただしサービス面できめ細やかさを求める方は、期待しないほうがよろしいかと思います。日系エアラインに比べると、はっきり言って雑です。日本人のCAですら、周りの環境がそうなので、サービスが雑になってしまっています。

それでもアリタリア航空にはラテンヨーロッパ的な朗らかで憎めない雰囲気があり、私個人としては好きなのです。同社は今後管財人のもとで再建か精算か検討されていくことになりますが、精算という最悪の事態を避け、合理化を進め、ぜひとも立ち直って欲しいところです。