フランク・ゲイリーといえば、押しも押されもせぬ当代きっての人気建築家ですね。金属を強引に捻じ曲げたような、グニャグニャした大変奇抜な造形が印象的です。そのフランク・ゲーリーが手がけたクラシックのコンサートホールがロサンゼルスにあります。それがこちらの「ウォルト・ディズニー・コンサートホール」です。
「ウォルト・ディズニー」の名が冠されているとおり、このコンサートホールはウォルト・ディズニーの奥さんであったリリアン夫人の多大な貢献により建設が始まり、2003年にこけら落としが行われました。それ以来、ロサンゼルス・フィルハーモニーの本拠地になっています。
ウォルト・ディズニー・コンサートホールでは、ほぼ毎日見学者向けの無料ガイドツアーが開催されており、私もこれに参加してみました。この奇抜な建物の中は、一体どうなっているのでしょうか。
ウォルト・ディズニー・コンサートホールでは、3種類の無料ガイドツアーが随時催されています。
1. シンフォニアン・ツアー
ウォルト・ディズニー・コンサートホールの他に、隣接するマーク・テイパー・フォーラム、アーマンソン・シアター、ドロシー・チャンドラー・パビリオンの4つの施設を周るガイドツアー。所要時間約90分。午前10時15分と午後12時30分の2回開催（詳細なスケジュールはホームページで確認）。
2. ガイドツアー
ボランティアガイドがウォルト・ディズニー・コンサートホールのみどころを案内してくれるツアー。個人参加者または1グループ14名までは無料。所要時間約60分。午後12時と午後1時15分の2回開催（詳細なスケジュールはホームページで確認）。たいていコンサートホールの外の見学になるが、運良くリハーサル等が行われていなければ、コンサートホール内に案内されることもあるらしい。
3. セルフオーディオガイドツアー
オーディオガイドを携えて、自分で自由に館内を見学するツアー。ガイドはつかない。個人参加者または1グループ14名までは無料。所要時間約60分。午前10時から午後2時まで、随時OK。
さて、今回私はウォルト・ディズニー・コンサートホールだけに絞り、2.の有人のガイドツアーに参加しました。事前予約などせずに、当日申し込みでガイドツアーに参加できましたが、人数制限もあるようなので、開始時刻よりも前に余裕を持って参加申し込みをしたほうが良いでしょう。
ホワイエのこちらのカウンターで、ガイドツアーの申し込みを行います。すると、このような丸いオレンジ色のロゴシールを手渡され、服の目立つ場所に貼るようにと言われました。
ホワイエに集合します。今回のガイドツアーは10名ほどで、皆さん観光客のようでした。ガイドさんの解説があり、ウォルト・ディズニー・コンサートホールができるでの逸話やゲイリー建築のコンセプトなどのお話を伺います。もちろん英語ですので、私、必死になってついていきました。
ホワイエを上のフロアから見たところです。ゲイリーの建築には垂直な直線がないので、まるで空間が歪んでいるかのように見えます。めまいを起こしてしまいそうですね。
こちらはレクチャールーム。ミニコンサートや講演など、ちょっとしたイベントに使われます。結婚式をここですることもできるそうです。左右の壁の歪み具合がダイナミックです。
コンサートホール付属のレストランです。営業前でしたが、ガイドさんのはからいで内部を見学することができました。レストランとは思えないような斬新な空間ですよね。天窓から差し込む光と、ゲイリー建築独特の曲線が印象的です。
屋内の見学の後、今度は外に出て、コンサートホールの周辺施設の案内があります。ウォルト・ディズニー・コンサートホールは一見するとメタリックで無機質な印象を受けますが、実はその周囲にはパブリックアートや緑の植物が配置され、ちょっとした庭園になっているんですよ。
こちらがガイドさん。メタリックな壁の反射が凄まじいので、屋外を案内するときはサングラスをしないと目をやられてしまうということでした。この日もギラギラと日光を反射していましたので、ハレの日は見学者もサングラスを持参していったほうがいいかもしれません。
その問題の壁の裏側にも案内していただくことができました。壁が不規則な形をしていますので、それを支える裏側の構造も複雑になっていました。メンテナンスが大変そうですね。
「表面が熱くなっているから気をつけて！」 確かに熱くなっていました。照り返しがひどく、周辺のビルから苦情が来るのだそうです。奇抜な建築も、度を越すと周囲に迷惑をかけてしまうんですね……
⇒ウォルト・ディズニー・コンサートホール
アクセスは、メトロのCivic Center/Grand Park駅が便利です。