一筋縄ではいかない中国旅行。予め知っておきたい注意点をアドバイス

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最近、株価の暴落で何かと中国がが話題になっていますが、先日はじめて中国を旅行してきました。入念に準備をして訪中したつもりでしたが、自分のスマートトラベラーとしての未熟さを痛感させられる旅になりました。今までの常識が通用しない経験ばかりで、カルチャーショックの連続でした。今回私が得た教訓を、今後中国への個人旅行を計画している皆様と共有できればと思い、アドバイスとして記しておきたいと思います。かなり批判的な内容になってしまいますことを、予めご了承ください。

ハードインフラは信用するな

◆Googleが使えない

中国ではグーグルの諸サービスが全く利用できません。Gメールはおろか、検索ページを開くことすら出来ません。特に旅行中で最も困るのは、グーグルマップが全く使えないことですね。私は訪れる予定のスポットやホテルをグーグルマップに登録して、それを参照しつつ旅をするのが当たり前になっていたので、グーグルマップにアクセスできなくて途方に暮れました。

グーグルのサービス意外にも、Twitterも当局によって完全に遮断されています。また、Lineもある程度規制を受けているようで、繋がったりつながらなかったりしました。

◆クレカ利用可の表示があっても使えないことも

高速鉄道のチケットをカウンターで購入する際に、売り子さんがクレジットカードが使えると言うので持っていたマスターカードを渡したところ、決済ができませんでした。もちろんそのカードは凍結などされていません。別のVISAカードでも試しましたが、決済できず。JCBカードも持っていましたが、そもそもJCBには対応しておらず……。結局現金で支払いました。

◆ATMが信用出来ない

中国ではATMですら信用できません。これも高速鉄道のチケット売り場でのことです。売り場に設置してあった中国建設銀行のATMで現金を引き出そうとして、カードを挿入し暗証番号を入力したところ、「このカードはご利用になれません」との表示が出て一方的にキャンセルされました。ここまでは理解できるのですが、なんと、挿入したカードが返却されないのです!!!一瞬、何が起こったのかわけが分からず、私のほうがフリーズしてしまいました。

これには焦りましたね。手持ちの現金が少なくなっていて帰国までもつのか不安になりましたし、カードが不正利用されることも心配されました。前者については予備として隠し持っていた現金でなんとかしのぎ、後者についてはカード会社に電話で連絡し利用を停止しました。不正利用がなかったのが不幸中の幸いです。高速鉄道のチケット売り場にあるATMだったので安心しきっていたのですが、中国ではそういった場所のATMですら信用出来ないことを思い知らされました。

◆高速鉄道が不安……

 ▲窓のブラインドが壊れていました。これは、まあ、仕方ないかな……

▲隣の座席の座面が外れていました。こんなのありえないでしょ。日本だったらすぐに修理するレベルの事案だと思います。というか、どんな座り方をしたら座面が外れるのでしょうか。そんなにモロイものなの?!隣の席のオッサンは、席が壊れていても特に気にせず座っていましたが……。

世の中には「ハインリッヒの法則」なるものがあります。1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、またその背後には300件のヒヤリハットがあるという経験則です。つまりこれは、日々の小さいミスを摘み取っていけば、結果として重大事故を防ぐことに繋がるが、小さなミスの防止を怠るといずれ重大事故を引き起こすことを意味しています。

中国の鉄道当局は、座席の故障さえ気づかない、あるいは修理する余裕が無いのですから、高速鉄道の車体のメンテナンスなどは推して知るべしでしょう。

◆ハコモノは巨大だが中身がスカスカ

▲こちらはとある高速鉄道の駅の待合室です。だだっ広く、サッカーコート2面分ほどの広さがありました。しかし、場内には飲食店は一つもありません。

▲ホームに降りてみると、なんと真っ暗。夜なのにほとんど照明がついていません。これってかなり危険だと思うんだけど……。この旅行を通して感じたのは、中国の施設は巨大で外面はすごいのだけれども、内実が伴っていないという点です。スーツケースを抱えた旅行者がたくさんいるのにエレベーターやエスカレーターが無かったり、チケット売り場からホームまで数百メートルも歩かされたり。利用者視点が欠如しているんですね。

人的サービスを当てにするな

◆観光案内所やコンシェルジュさえ英語が通じない

「郷に入っては郷に従え」なので、本来ならば旅行者が中国語を習得してから訪中するのが望ましいのですが、なかなかそうするわけにもいかないため、現地の人とは英語でやりとりすることが多くなると思います。しかし、観光案内所のスタッフやホテルでさえ英語が通じないのには苦労しました。

特に某中堅ホテルチェーンのコンシェルジュですら、禄に英語が通じないのには驚かされました。”Do you have a map?”と尋ねてもそれを理解できずに、傘を差し出されたのには笑うしかありません。埒が明かないので、「地図」と書いたメモを見せてようやく理解してもらえました。嘘のような本当の話です。英語で話すよりも、筆談のほうが手っ取り早いようです。

◆複数のスタッフに同じ質問をしてもバラバラな答えが返ってくる

駅のスタッフに長距離バスはどこから乗れるのか尋ねると、ある人は「上の階だ」と答え、ある人は「駅の反対側だ」と言い、またある人には「知らない」と言われ……。迷いに迷った挙句、結局長距離バスの乗り場にはたどり着けずに、鉄道を利用することにしました。

また、とある観光地で目的地の書かれた紙をお巡りさんに見せて、どちらに行けばいいのか訪ねました。指差された方向に行っても全くたどり着けないので、別の人に同じことを尋ねたら、全く反対の方向だと教えられました。今来た道を戻り、お巡りさんに聞いた場所から反対側に歩いて行くって、ようやく目的地にたどり着けました。

◆日本人だとわかると態度が悪くなる

とある飲食店でのこと。私が中国語が話せない(あるいは日本人だ)とわかると、スタッフの笑顔が消え、態度が急に冷たくなりました。一応注文したものは出てきたのですが、私の見えないところで何やらヒソヒソ話している様子。ある程度の反日的な対応は想定していましたが、あの豹変ぶりには困惑してしまいました。

普通にその辺にいる困ったさんたちを回避せよ

◆横入りは日常茶飯事

チケットを買おうと列に並んでいたら、何回も横入りされました。時には体当たりのように強引に体をねじ込んでくることも(おばさん)。もう辟易としますね。

◆公衆トイレが汚い、幼児は側溝に用をたさせる

中国の公衆トイレが汚いのは有名ですね。私も今回の旅行で初めて身をもって体験しました。100円ショップ等でも購入できる除菌ウェットティッシュは必携です。また、親が人目をはばからずに幼児にオシッコを側溝でさせているのには驚きました。それもショッピングセンターのエントランスの前でですよ!開いた口がふさがりません。

◆唾や痰をいたるところで吐く

皆、路上に平気で唾や痰を吐きます。ペッペ、ペッペと吐くので、痰の後だらけ。特に観光で訪れた有料のお寺の中でも、普通にペッペしていました。げんなりしますよ。

◆とにかくうるさい

皆、話し声が大きいのです。ホテルのロビーは静かに保たれているのが一般的ですが、中国のホテルではそれは当てはまりません。あちこちから耳障りな大声が聞こえ、終始ざわついていました。また、中国から帰国する際に乗った飛行機でも終始ペチャクチャ話し声が聞こえ、落ち着くことがてきませんでした。眠らせてくださいよ……

【まとめ】

全体的に、中国批判になってしまった面もありますが、中国にもまともで親切な人もたくさんいます。気さくに笑顔で対応してくれた蘇州駅の荷物預かりのおばちゃんや、英語がわかる学生さんをわざわざ見つけて連れてきて道案内してくれたおじちゃんなど、今回の旅行でも多くの人に助けられました。

とはいえ、やはり中国を個人で旅行するのはかなりハードルが高く、相当な準備が必要であるのは間違いありません。トラブルを避け、快適な旅を楽しむためにも、事前に多くの情報を集めておくことをおすすめします。