シンガポール・チャンギ国際空港の拡張がすごい!名称も「リー・クアンユー国際空港」に変るかも?!

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先月、シンガポールの建国の父リー・クアンユーが亡くなりました。空港マニアの私にとっては、リー・クアンユーは、シンガポール建国の父というよりも「チャンギ空港という世界に類を見ないエンタメ空港を成功に導いた立役者」としての印象が強いです。私、世間からずれていますね、はい。

とは言っても、やはり彼はチャンギ空港にとってはキーパーソンだったわけで、チャンギ空港は公式サイトで追悼文を掲載しています。興味のある方はぜひ読んでみてください。

そこで、彼の功績をたたえて、チャンギ空港の名称を「LKY(リー・クアンユー)国際空港」に改めようという動きがあります。

3月25日にchange.orgに掲載されたこの請願は、現在では締め切られているものの、優に1万2千を超える賛同者を集めました。現段階では、具体的な検討段階には入っていないものの、チャンギ空港が改称される可能性は高いのではないかと思っています。というのも、現在、チャンギ空港は大規模な拡張を計画中なんですよね。

左上の昆虫の触覚のように伸びた建物が現在の第1~3ターミナルで、今後第4ターミナルが第1~3ターミナルの近くに建設され、さらには滑走路を挟んで反対側には、第1~4ターミナルを合わせたキャパシティと同程度の第5ターミナル(黄色)が建設される予定なのです!

現在の第1~3ターミナル体制だけでも、年間5,410万人(14年)の旅客数を誇っているのですが、拡張工事が全て完了すれば、旅客数は年間1億人を優に超えることになります。これは、現在トップの、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港を上回る計算です。

さらにそれだけではなく、現在第1~3ターミナルの間の駐車場部分に、大規模な室内公園を建設中です。これもまた、度肝を抜くようなシンガポールらしい建築ですね。他の追随を許さない世界一のエンタメ空港たる所以です。

これらの施設の完成と同時に、リー・クアンユーの名が冠されるのではないかと考えています。どうなるのでしょうね。結構気になります。

で、ついでに、人名を空港の名前にしているところを探してみました。世界中に人名を冠した空港って世界中にたくさんあるんですね。

■政治家系
ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク)
ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港
ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港(ヒューストン)
ワシントン・ダレス国際空港
ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港
パリ=シャルル・ド・ゴール空港
ニノイ・アキノ国際空港(マニラ)
ベルリン・ブランデンブルク国際空港(副称にヴィリー・ブラントを採用予定)

■建国の父・初代元首系
チンギス・ハーン国際空港(ウランバートル)
スカルノ・ハッタ国際空港(ジャカルタ)
シモン・ボリバル空港(ベネズエラ・カラカス)
ベン・グリオン国際空港(イスラエル)
アタテュルク国際空港(イスタンブール)
台湾桃園国際空港(中正国際空港から改称)

■芸術家・文筆家系
リバプール・ジョン・レノン空港
ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港
ワルシャワ・ショパン空港
リスト・フェレンツ国際空港(ブダペスト)
イブン・バットゥータ国際空港(モロッコ)

誰の名前を持ってくるかというのは、かなり揉めるんです。開港が遅れているベルリン・ブランデンブルク国際空港は、アインシュタインやマレーネ・ディートリッヒといった候補もあり政治問題化しましたが、結局は東方外交のヴィリー・ブラントに落ち着きました。

台湾桃園国際空港も、以前は蒋介石の中正国際空港を名乗っていましたが、政権交代などの政治的な影響で台湾桃園国際空港に改められました。

人名を空港につけるというのは、政治問題化しやすいんですよね。「シンガポールは明るい北朝鮮だ」と揶揄する人もいるように、リー・クアンユーも決して正の側面だけで語ることは出来ないので、今後どういった方向になるのか注目していきたいと思います。