松山藩主の子孫にあたる久松定謨伯爵が大正11年に建てたフランス・ルネサンス様式の洋館、萬翠荘を見学しました。
萬翠荘は、市電の大街道停留所から徒歩数分のところにあります。石造りの門を左側に登って行くと萬翠荘が、逆に右側に登ると坂の上の雲ミュージアムがあります。
左に曲がり坂を登ると、すぐに木の影に白い立派な洋館が見えてきます。
間近に見ると、かなり立派です。ファサードが堂々とした作りで、大正ロマン的な古き良き時代の面影を感じます。
エントランスを入ると、正面の巨大なステンドグラスが目に飛び込んできます。神々しい!
ステンドグラスに向かって右側には、広めのゲストルームが配置されています。マントルピースは大理石、白い壁は漆喰、細かな装飾は金という、非常に贅沢な部屋で、主に社交の場として使われていたようです。空間を広く見せるための大鏡は、当時研磨技術で世界最高と謳われたベルギー製です。
その隣には、ゲストルームとは対照的に黒茶で統一された落ち着いた雰囲気のダイニングルームが配されています。時の皇太子殿下(後の昭和天皇)もこちらで夕食を召し上がったのだとか。
ダイニングルームに吊るされたシャンデリアは、水晶で出来ています。シャンデリアの下に座れば、水晶パワーを得られるのだとか。
さて、2階へ上がりましょう。南洋から取り寄せたチーク材で作られた豪華な階段。贅沢ですよね。
2回中央の貴賓室です。昭和天皇はこちらでお過ごしになったのだとか。
貴賓室からは、扉越しに先ほどのステンドグラスが目線と同じ高さで眺められるように設計されています。
貴賓室の隣の小部屋です。昭和天皇は朝食はこちらで召し上がったとのことです。4畳ほどの空間で、意外と狭い。しかしながら、とても品のある部屋ですね。
萬翠荘の模型がありました。左右非対称なのが特徴なのだとか。フランス・ルネサンス様式を導入しつつも、あえて対称性を崩すことで日本人的なテイストを加味したということでした。
開館時間 9:00-18:00
休館日 月曜日
観覧料 1階は無料、2階は大人300円